日本伝統鍼灸学会会長 形井秀一
第9回 社会鍼灸学研究会 2014
【会期】
第1日:2014年9月13日(土) 午後1時~5時
第2日:2014年9月14日(日) 午前9時30分~午後5時30分
【会場】
筑波技術大学・136会議室、および、講堂
(茨城県つくば市春日4丁目12-7)
【内容】
第1日目:若手研究者の発表会(Round Table 形式)
第2日目:テーマ「鍼灸によるセルフケアの広がりと可能性―現代養生学構築に向けて―」
【参加費】
無料
現代社会においては、人は、治療する側の治療者か、治療される側の患者かに、分かれている。これは、分業をベースにした資本主義制度の下では当然のことであろう。
医療の歴史を考えると、巫女やシャーマンの時代から、否それ以前から、健康分野での分業は始まっていた。しかし、健康は自分自身の心身の問題である。己の心身を他者に委ねて解決してもらおうというのは、どこか虫が良すぎる気がする。
では、患者が、自から主体的に、健康に取り組む方法があるのだろうか。
東洋医学では、“人は、自然の摂理に従い、心の安寧を保つ生活を実践することで健康な人生を送るが、それでも病に陥った時に始めて、治療を受ける”ことを基本的な考え方としている。「養生」の考え方である。
だが、東洋医学分野で治療する側に立つ鍼灸・按摩師は、「養生」をどのように考え、治療の中に活かしているであろうか。鍼灸・按摩師は、ともすると、鍼立て屋、灸据え屋、ツボ押し屋に陥っていないであろうか。患者の全体像を捉え、患者の心身の問題を考え、患者の健康の土台作りに関るという課題に、どのように取り組んでいるのであろうか。また、健康を主体的に考え、あるいは実践する患者とは、どの様な患者であろうか。
健康に対する東洋医学の考え方のベースが「養生」であるなら、現代における養生を考えてみることは、生活習慣病が国民の大きな問題である今、鍼灸・あん摩の分野が取り組む課題の一つと言えるであろう。そして、現在、鍼灸の幾つかの分野で進みつつあるセルフケアが、今後、どのように形成されていくかにも、注目したい。
本年は、以上の様な考えから、「養生」とセルフケアに焦点を当ててみたい。
なお、本年6月まで国立科学博物館で開催された「医は仁術」展をプロデュースされた国立科学博物館・産業技術史資料情報センター長・鈴木一義氏をお招きし、「医の心と養生」の特別講演をして頂く。
また、ブラジル・ワールドカップから帰国されたFIFAの専属トレーナーである妻木充法氏に、世界のトレーナー事情と今回のワールドカップにおけるトレーナー活動について、ご講演頂く。
・社会鍼灸学研究会へ参加希望の方は、「申込用紙」を記入の上、メールかFAXで送って下さい。
・参加用紙送付締め切りは、9月1日(月)と致します。
【社会鍼灸学研究会HP】http://sites.google.com/site/shehuizhenjiuxueyanjiu/
【主催・連絡先】社会鍼灸学研究会
〈住所〉〒305-8521 茨城県つくば市春日4丁目12-7
筑波技術大学保健科学部保健学科鍼灸学専攻、形井研究室
〈TEL&FAX〉029-858-9533 〈当日緊急連絡先〉029-858-9664(大学内防災センター)
e-mail:katai@k.tsukuba-tech.ac.jp
プログラム
9月13日(土) 午後1時から
若手研究者による round table 形式の研究発表会
進行:形井秀一、嶺聡一郎
挨拶:研究発表会開催に当たって・・・形井秀一:筑波技術大学保健科学部
1:00~1:40(発表20分、質疑20分)
「薬物依存症リハビリ施設における鍼灸師の活動について」
八尋 優子、京都仏眼鍼灸理療専門学校
1:50~2:30(発表20分、質疑20分)
「インドにおける視覚障害マッサージ師養成の支援の歩みについて」
寺崎 直、筑波大学附属特別支援学校
2:40~3:20(発表20分、質疑20分)
「助産師からみたツボ療法に関するアンケート調査」
前田尚子、あゆみ鍼灸院
3:30~4:10(発表20分、質疑20分)
「養成施設における鍼灸医療の安全教育に関するアンケート調査」
村上哲二、東京医療専門学校
4:20~5:00(発表20分、質疑20分)
「精製方法の異なる日中の艾による直接灸の比較調査」
根岸智子、モコアキュサロン、
5:30~
交流会 (つくばエキスプレス・つくば駅周辺)
9月14日(日) 午前9時30分から
午前の部
Ⅱ.鍼灸の現在
09:30~09:35
「開会の挨拶」
形井秀一:筑波技術大学
09:35~10:20(発表30分、討論15分)
「東日本大震災と鍼灸―4年目の被災地の現状―」
嶺聡一郎:名古屋医専
10:30~11:20(発表50分)
「世界のトレーナー、ワールドカップとJリーグ」
妻木充法: 東京メディカルスポーツ専門学校
11:30~12:00
「FIFAワールドカップブラジル大会 レフェリーへのトレーナー活動」
妻木充法: 東京メディカルスポーツ専門学校
12:00~13:00: 昼 食
午後の部
Ⅲ.鍼灸によるセルフケアの広がりと可能性―現代養生学構築に向けて―
13:00~13:50 (発表50分)
「鍼灸によるセルフケアの広がりと可能性」
形井秀一:筑波技術大学保健科学部
14:00~14:50
特別講演:「日本の養生の歴史とそのこころ」
鈴木一義:国立科学博物館・産業技術史資料情報センター
15:00~15:50
「21世紀型養生」
小野直哉:明治国際医療大学
15:50~16:10:コーヒーブレイク
16:10~17:30
シンポジウムと全体討論:「現代養生学構築の可能性を探る」
司会:形井秀一
シンポジスト:鈴木一義:国立科学博物館・産業技術史資料情報センター
小野直哉:明治国際医療大学
18:00~20:00
懇親会(場所未定、つくば駅周辺の予定)
主催・連絡先
社会鍼灸学研究会
連絡先;筑波技術大学保健科学部保健学科鍼灸学専攻、形井研究室
〒305-7821 つくば市春日4-12-7
TEL&FAX:029-858-9533
(FAXは、音声は出ませんが、機能しています。そのまま送信して下さい)
e-mail:katai@k.tsukuba-tech.ac.jp
お知らせと連絡
・社会鍼灸学にご興味のある先生方に参加をお誘い下さい。
・昼食と会場予約のため、参加の有無を8月31日(日)までに、FAXかe-メールにてご返信下さいますようお願いいたします。
形井研究室
FAX:029-858-9533
e-mail:katai@k.tsukuba-tech.ac.jp
【交流会と懇親会】
研究会終了後、13日は「交流会」、14日は「懇親会」を予定しております。是非、ご参加下さい。
参加費は実費で、5,000円程度です。
【昼食】
昼食用のお弁当の用意を予定しております。当日のお申し込みは行いませんので、ご希望の方は、事前のお申し込みをお願い致します。
お茶付きで600円程度の予定です。(近くに、コンビニも3カ所あります)
第9回社会鍼灸学研究会【申込用紙wordデータ53kb】