概要

日本伝統鍼灸学会は、日本伝統鍼灸を専門的に研究する国内唯一の学術団体です。

日本伝統鍼灸とは、7世紀に中国から日本に紹介された中国伝統医学(TCM:Traditional Chinese Medicine)を、日本の先人たちが長年、日本の風土に適用させるべく努力を重ねて完成させた独自の医学体系、日本伝統医学に基づく治療法です。
1500年余りにわたって国内の多くの先人の貢献が積み重ねられた結果、日本伝統鍼灸は、中国からTCMを取り入れた韓国や他の東アジア諸国での鍼灸治療法と同様に、ほかのどの国で行われている鍼灸とも異なる特長を持つにいたりました。
日本伝統鍼灸法の最も際立った特長の一つは、他の鍼灸に比べてきわめて微弱な刺激の刺鍼や施灸を行う事です。
日本伝統鍼灸のこうした刺激の弱い施術法は、効果の面だけでなく、安全性の面でも他の施術法にはない可能性を秘めていると言えます。
実際、世界的な医学誌に掲載される鍼のRCT臨床研究では、多くの場合、微弱刺激による刺鍼は「ニセ鍼(Sham acupuncture)」として研究対象に設定されています。
特に、鍼管を押し当てるだけで刺鍼しない、鍼先は皮膚に接触させるものの刺入はしない研究セッティングにおける研究結果では「鍼治療とニセ鍼治療ともに効果があり、その効果に有意差はない(と同時にコントロール群に対しては両者とも有意に効果あり)」と結論づけられていることがしばしばあります。

本会のミッション・使命は以下の通り。

日本伝統鍼灸医学の確立によって世界の健康増進に資する
日本伝統鍼灸のより一層の発展と普及に貢献する
こうした使命を達成するために、日本伝統鍼灸学会では以下のような活動を通じて本会会員の学術上かつ臨床上の能力向上に努める。

  • 学術大会の開催
  • 研究助成
  • 卒後教育
  • 学術誌の発行
  • 伝統鍼灸に関する他団体の活動支援
  • 海外関連団体との人的物的な学術交流

学会の目的

  1. 中国古典医学を基礎とした、日本伝統鍼灸の、学術の構築
    および、現実の医療に関わる鍼灸臨床学の確立。
  2. 伝統鍼灸の研究・教育、普及・啓蒙の活動を通し、日本の伝統鍼灸の発展。

日本伝統鍼灸の定義

『日本伝統鍼灸』とは、以下の概念をすべて含む。

  1. 中国医学思想
    中国に発祥した医学思想を基礎とする。
  2. 日本の風土
    日本の風土に培われてきた鍼灸医学である。
  3. 全身調整
    全人的調整を治療目的とする。
  4. 手指の感覚
    触覚を中心とした診断治療技術を重視する。