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退任の挨拶 形井秀一先生

日本伝統鍼灸学会会長
退任の挨拶

形井秀一

日本伝統鍼灸学会会長
筑波技術大学名誉教授
洞峰パーク鍼灸院院長

 2009年4月に、前会長の首藤傳明先生から日本伝統鍼灸学会の会長職を引き継いでから、2021年3月末まで、12年間、会長職を努めさせて頂きました。
 この間、執行理事の皆様には、ご自分の仕事や家庭があり、私的な活動がある中、会の発展のためにご尽力頂き、厚くお礼を申し上げます。また、評議員、監事、顧問、相談役、アドバイザーの先生方には、理事会の活動や会の運営につきまして、ご指導を賜り、感謝申し上げます。

 ところで、20世紀の終わりから21世紀にかけて、国内外において、鍼灸の世界は大きく変化しました。
 世界の鍼灸界に目を向けると、鍼灸は世界に大きく普及しました。また、WHOやISO、WFASなどにおいて、鍼灸の標準化が検討され、標準化は加速しています。世界では、鍼灸治療者や利用者の数が増加し、その増加を鍼灸の質的レベルの向上に繋げようという努力が、先にあげた国際的な機関などで行われています。
 また、日本鍼灸界においては、学校数や鍼灸学科数が急増し、鍼灸師数も大きく増加しました。鍼灸師の数が増大したことで、日本鍼灸界の臨床、教育、研究の各分野において優秀な人材が増え、それらの各分野が発展し、鍼灸が、現代日本が抱える健康問題を解決する一医療分野となることが期待されます。
 私の在任期間は、このように鍼灸の国内外の変革期と言える時期で、日本伝統鍼灸学会がそれらの変化にどのように対応し、その機を活かし、発展するかということが問われた12年間でした。

 この間、定例総会・学術大会の毎年の開催の継続に加えて、本会で行った大きな行事は、

  1. 2011年6月;JSAMと共同の「日本鍼灸に関する東京宣言―21 世紀における日本及び世界のより良い医療に貢献するために―」(日本語版、英語版の発行)の発出
  2. 2012年4月;「新会則」「細則」の発行
  3. 2012年10月;40周年記念大会の開催
  4. 2016年3月;第1回伝統鍼灸臨床セミナー(以降、年1回春期開催)開催
  5. 2016年11月;WFAS Tokyo/Tsukuba 2016 (世界鍼灸学会連合会学術大会 東京/つくば 2016 大会、全日本鍼灸学会と共催)の開催

などです。

これらはどれも、重要な活動でしたが、この中で、本会の運営にとって大切な事項は、「新会則」制定です。
「新会則」の骨子は、下記の項目を明確にしたことです。

  1. 正会員、評議員、役員のそれぞれの立場
  2. 評議員と理事の役割
  3. 監事の役割は、会計監査と学会の活動の全般としたこと
  4. 各種会議の定足数と議決方法

 各々が付与された役割の中で意欲的に活動し、その活動の成果の総合が会の発展に繋がるという会の運営を目指したものです。
 その新会則に則った今回の会長選挙は、会長候補が会員の中から立候補し、会員の直接選挙で選出された評議員が投票で会長を選出し、総会で会員が承認投票をする形で、実施されました。

 会は、来年50周年を迎え、会発足から半世紀を経過することになります。
 先に述べたように、今、世界の鍼灸が大きく発展しようとする時期ですので、本会がその発展に寄与することは、鍼灸の長い歴史を有する日本の鍼灸界の一員として、重要な役割であると思います。それは、ひいては、日本鍼灸界の発展に繋がることであると考えているからです。
また、国内においても、日本鍼灸界が大きく変革しつつある時期です。将来21世紀初頭のこの時期が、日本鍼灸の歴史において大きな変革期であったと言われるだろうと思います。この時期に、日本の伝統鍼灸学会が、古典を重視しつつも、それに拘泥することなく、新たな視点や技術、道具などを積極的に導入し、必要な変化目指すことが、求められます。

 伝統は、過去を引きずる事ではなく、新たな時代に新たな思想と方法を付加することで、作り上げられていくものであることを忘れないで欲しいと思います。

 さて、一人の会長が努める任期が長すぎることは、様々な問題を生じやすいものと考え、10年を過ぎたこの時期に会長を別の方に努めて頂くことを決断致しました。これからも、各理事、そして委員が会の発展のために尽力されることを願っています。また、会員各位が、理事会の活動にご協力、ご指導を賜り、会の発展にお力を頂くことを願っています。
在任中の執行で充分な成果が達成できなかったところは会長の私に責任の大部分があります。これからも、理事を始め各役員と会員の皆様が協力して、本会の抱える様々な問題を改善し、日本伝統鍼灸学会の発展を目指されることを願っています。

12年間、有難うございました。

2021年3月15日

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