特別展「医は仁術」は、必見!

学術部 和辻 直
2014年3月15日(土)から国立科学博物館(東京・上野公園)で特別展「医は仁術」が開かれていおります。初日に行くことができましたのでご紹介いたします。

この特別展は「医は仁術」がテーマであり、「江戸の医から、未来を眺める」「医の原点は江戸にあった!」とキャッチコピーにある通り、伝統鍼灸に興味がある方は必見の展示会です。

展示は七章(序章・第一〜五章・最終章)に分かれ、第二章に『五臓六腑図』、『経絡人形』や『脈診台』が展示されていました。また古典医籍(『黄帝内経』、『傷寒論』など多数)、腹診書などが紹介され、『人倫訓蒙図彙』の医師図では、醫師、針師の絵も記載されていました。

途中に刺絡針なども展示がありました。第三章では『奥田木骨』、『生き人形』の近くには、鍼の道具と二体の経絡人形の展示がありました。ここでの案内パネルには「漢方・蘭方・漢蘭融合の和方」と題して、「前略・・・・漢方はすでに中国医学から独立しており、同じものでは無い。

中国で行われない腹診や、鍼灸術においても管鍼や灸術は、まったく独自のものと言って良いだろう・・・中略・・・流派や立場を超えた医こそが和方であろうか。」と記され、日本の伝統医学の独自性が示されていました。

また本会会長の形井秀一先生が記載された「鍼灸について」、「日本の鍼灸について」、「日本のモグサについて」のパネルがあり、その下に、モグサの精製工程に関する展示がありました。

会場の中程には色彩豊かな経絡図がかけられています(『人身生理骨格之図』)。これも必見です。

また、痘瘡に関係する彩色された舌診書などもあります。

この展示のメインは当時の希少な解剖図などの史料であり、江戸時代の医療道具等も展示され、とても興味深い構成となっています。

77年ぶりに発見された杉田玄白らの直筆掛軸や山脇東洋の『蔵志』原本が初公開となっています。

なお第五章では、最先端医療として、人体の可視化をテーマに3Dプリンターによる臓器モデルなど、日本が世界に誇る技術の一端を紹介していました。ミュージアムショップでは、特別展の内容を公式ガイドブックがあり、展示された品々が写真と簡単な解説とともに収録されています(一部2,000円)。

特別展テーマ:「医は仁術」 会 期 :2014年3月15日(土)~6月15日(日)
会 場 :国立科学博物館(東京・上野公園)
開館時間:午前9時~午後5時(金曜日は午後8時まで)
詳細は下記のサイトにて調べてください。
http://ihajin.jp/gaiyo.html

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