WFAS Tokyo/Tsukuba 2016

WFAS Tokyo/Tsukuba 2016 
(世界鍼灸学会連合会学術大会 東京/つくば大会)
運営委員会報告

2016年晩秋、WFAS(世界鍼灸学会連合会)の学術大会が東京とつくばで開催されます。我が国では1993年の京都における第3回世界鍼灸学会学術大会を開催して以来23年間沈黙を守っていましたが、2013年11月、オーストラリア(シドニー)で開催された第8回WFAS総会において、日本鍼灸を世界に発信すべく声高に招致を訴え実現しました。本大会は日本の鍼灸を支える全日本鍼灸学会と日本伝統鍼灸学会の共催で開催されますが、この2学会の協力なくしては実現しなかったことです。
昨年1月に企画委員会が発足し、運営面、内容面での会議を重ね、今年の2月6日にWFAS学術大会運営委員会が開催される運びとなりました。
運営委員会は、全日本鍼灸学会の後藤会長、日本伝統鍼灸学会の形井会長の挨拶で幕が開きました。
JLOM(日本東洋医学サミット会議)事務総長の東郷俊宏氏が「日本鍼灸を取り巻く最新の国際状況 」についてスライドを用いて説明。この大会は流派を超えて日本鍼灸の良さを世界に発信し、また、国内の医療関係者、識者、国民等に日本鍼灸が医療に充分活かせることをアピールする絶好のチャンスであると位置付け共感しました。
続いて、大会テーマ「美しき鍼灸」と題した開催趣旨を後藤会長が読み上げ、来賓の挨拶と続き、2016年WFAS学術大会を学会、業界が一致協力して成功させようという流れで幕を閉じました。
「美しき鍼灸」(The Beauties of Acupuncture)
~持続可能なヘルスケアとして~
鍼灸の歴史は、伝統と革新(イノベーション)の歴史である。文明の黎明期、新石器時代に「砭石・へんせき」が中国で発明された。これは人類が疾病と闘うために創意工夫した原初的な医療器具とされている。時代が進んで、青銅器時代・鉄器時代と文明の発達と共に、鍼灸医療器具も文明の利器として、時代時代に、イノベーションしつつ、発展し現在に至っている。さらに、鍼灸医療は単なる医療器具や治療技術・治療理論の革新に止まること無く、その技術とあいまって、人の疾病と健康、自然と社会環境との関係にも深く洞察を試みてきた。そしてその治療経験や情報を何十世紀にも亘って、蓄積したデータとして体系化し、東洋医学思想と為してきたのである。それは、生命とは何かという宇宙物理学領域が扱う壮大な哲学、科学をも含んでいる。また、現在では、人の生存に対する実践的医療として、現代西洋医学とのコラボレーションとしての統合医療、災害医療分野、介護領域や終末期医療、予防医療(養生)、全人的医療としての取り組み等々が行われている。今や鍼灸医療は、世界に広く伝播され、普遍的(Universal)でありながら、各地域固有の文化と融合した多種多様性(Diversity)のある、「最も古く、そして最も新しい健康観を内包した医療」として各国国民に受け入れられている。これからの鍼灸医療の目指すところは、人類共通の医療資源として生命・生存・健康を一連(ひとつらなり)のものとして捉え、従来の伝統的な枠組みに止まらず、社会の変革や疾病の変化に対して柔軟な姿勢を持ち続け、常に自己改革と社会が求める意義ある価値を創造し、未来にあるべき持続可能なヘルスケア(Sustainable Health Care)のモデルをダイナミックに提示することである。それこそが「いのち」の輝きを支え続ける「美しき鍼灸」の創出に他ならない。

WFAS Tokyo/Tsukuba 2016学術大会 

  日時 2016年11月5日(土)、6日(日)

  会場 つくば国際会議場

WFAS Tokyo/Tsukuba 2016 運営委員会発足式

150211n_1_2WFAS Tokyo/Tsukuba 2016運営委員会発足式の出席者による集合写真
Photo:週刊あはきワールドより転載

来賓(敬称略)
(一社)日本東洋医学会会長、日本東洋医学サミット会議議長 石川友章
(公社)全日本鍼灸マッサージ師会会長 杉田久雄
(公社)日本鍼灸師会会長 仲野弥和
(公社)東洋療法学校協会会長 坂本歩
(社福)日本盲人会連合会長 竹下義樹(小川幹雄)
(公社)全国病院理学療法協会会長 平野五十男
日本理療科教員連盟会長  藤井亮輔
(一社)東洋医学系物理療法学会会長 緒方昭広
日本良導絡自律神経学会会長 伊藤樹史(森川和宥、玉井清志)
経絡治療学会会長 岡田明三(船水隆広)
東洋はり医学会会長 中田光亮(鹿住晴広)
積聚会会長 小林詔司
日本中医学会理事長 酒谷薫
全日本鍼灸学会顧問・前会長 矢野忠

WFAS Tokyo/Tsukuba 2016 実行委員
会 頭 後藤修司(全日本鍼灸学会)
副会頭 形井秀一(日本伝統鍼灸学会)
実行委員長 若山育郎(全日本鍼灸学会)
副実行委員長 中田健吾(日本伝統鍼灸学会)
実行委員
 山下仁・福田文彦・石崎直人・清水洋二・東郷俊宏・小野直哉
 (以上全日本鍼灸学会)
 戸ヶ崎正男・篠原昭二・斉藤宗則・和辻直・船水隆広
 (以上日本伝統鍼灸学会)
アドバイザー 岡田明彦

平成27年3月12日
日本伝統鍼灸学会学術部長
戸ヶ崎正男