ご挨拶
45回日本伝統鍼灸学会学術大会(金沢大会)会頭
金沢大学医学部附属病院漢方医学科臨床教授 小川恵子
この度、第45回日本伝統鍼灸学会学術大会を北陸の地、金沢市で開催できますことを心より慶んでおります。主催者としてご参加いただく皆様に心より歓迎を申し上げますとともに、多くのご参加者をお迎えできますことを願ってやみません。
いま日本伝統鍼灸は世界的に注目を集めています。それは伝統鍼灸の中心概念である“Patient-centered”が国境を越えて有効だと言うことが示された結果と考えております。
本学術大会は日本伝統鍼灸の今と未来をさまざまな角度から学べるように丁寧に準備いたしました。
まず、昨年のWFAS東京・つくば大会の成果を継続する形で、海外の医療関係者や治療者が参加できるようにしました。特に、数人の海外の先生方をはじめ、日本伝統鍼灸の神髄と言える各流派の先生に実技をお願いし、双方を学べる機会を設けることにしました。また、伝統鍼灸が医療としての役割を果たすための前提である用語をどのように規定したら良いのか、その方法論をシンポジウムで議論します。さらに、いま世界で最も注目を集める鍼灸適用疾患の腰痛に対するアプローチを比較することにしました。日本伝統鍼灸の理解に欠かせない歴史の考察のために、『針灸の歴史』の著者である天野陽介先生と安井廣迪先生の対談も企画しました。
本学術大会で、日本伝統鍼灸の全体像を議論しあい学びあうことを通じて、世界の医療の中での日本伝統鍼灸のあるべき姿を見出すことができますことを希求します。
最後になりましたが、本学術大会の準備と開催にあたって多くの皆さまのご協力とご鞭撻をいただきましたこと心より感謝申し上げます。