会 長 挨 拶

世界に羽ばたく日本鍼灸

日本伝統鍼灸学会会長 首藤傳明

 

 鍼灸医学が中国から日本に入って千数百年、驚くべき年数です。その間、絶えず新知識を吸収しながら日本独自の考えと技術を醸成させてきました。日本の風土と日本人の体質に適応するように微妙に変えてきた結果、日本独自のものを開発したのです。

 経絡治療学会と東洋はり医学会との会員で始まった日本経絡学会も日本伝統鍼灸学会と改称、さらに多くの会派の参加を得、名実共に日本鍼灸を代表する会となりました。

 日本伝統鍼灸はアメリカでは日本鍼灸 【JAPAN ACUPUNCTURE】として高く評価されています。それは治療が痛くない、気持ちがいい、良く効く、という点から共感を得ているからで、徐々にアメリカ市民の中に浸透しています。いまや日本鍼灸は日本だけのものてはなくなったのです。さらに広く押し広めることが世界の人々の治療と保健に役立つのです。

 世界には中医学をはじめとしていろいろな形の鍼灸治療が存在します。その中で、日本伝統鍼灸は世界に誇りうる選択肢の一つ、only oneです。best oneとはいいません。

 日本伝統鍼灸学会の目指すものは、その特徴を内部で醸成し、その成果を外に向かって放つ学会です。21世紀はこの学会が目指すものでなくては適応できなくなります。必然的にその治療法に落ち着くという運命を持っています。生き残るためにも、日本の、世界の市民の健康のためにも、この会に集まって、議論し、技を高め、心を磨き、さらなる向上を願わんことを訴えます。